転々 / ヒカシュー (2)

music

どうも難解だとか書いてしまったけれど、一回聴いただけではだめだ。というか通常の消費されるポップ音楽のように聴いてはだめだ。
赤坂で、明日発売される新製品の携帯の技術解析の仕事がおわって、乗る地下鉄の入り口を間違えて、ええいままよと銀座駅でおりて、銀座の地下の、地下鉄の地下道のコンプレックスを、このアルバムを聴きながら彷徨った。
キタ。
昭和ののこりの、モダンで、過去で、地下水のカルシウムの匂いの地下鉄と地下駅が好きで、それは6歳から都心をさまよっていた育ちなので、しょうがない。一生、花鳥風月の心境にはなれそうにない。
映画「望郷」(ペペ・ル・モコ) でジャン・ギャバンが「あの女はパリのメトロの匂いがする」といって現地妻を捨てて逮捕も恐れず港に向かってしまう気持がわかるかあなたは。
地上にでて、銀座の裏通りを、小雨の夜のなか、このアルバム2回分、あるきつづけた。
巻上さんのチベット倍音歌唱が、不気味なインプロが、ことばのフラグメントが、体験とあわさって、たまらなかった。
場末の映画館のポスターが、汚い消えかけたネオンサインが、歪んだ東京が、いとおしくてたまらなかった。
ごめんね。

micro KORG

music

きのう楽器屋でちょっと触ってみた。これはたまらん。「中年殺し」だ。

デザインが、確信犯的なダサさで、昭和感に満ちあふれている。フォント、ダイヤル、日の字LED、両脇の木製エンドに至るまで、もうダサくてかっこよくてたまらない。

音も、中身はコンピューターによるモデリング音源なんだろうけど、KORGにしてはそれなりにすぐに発振にもっていけるし、アルペジエイターに、VCF入力に、一度は絶滅した昭和のシンセの仕様に満ちあふれている。

というかいまはVCF外部入力はあたりまえなんですね。VCF ext inというと、大昔はそういうモノがあったんじゃが…という老人の繰り言の一部かとおもっていたが、イマはすっかり若い衆にもレスペクトだかなんだかで完全に市民権を得て復活したようだ。ほら正義は結局勝つんだ、ざまあみろ、と、当時アナログシンセのツマミをいじりながら、生楽器への永遠の復讐を誓った16歳当時のぼくが、あたまのはじっこからささやいた。

ヴォコーダーのマイクがぺにょっと伸びているのも実にツボをついている。できたら、金属蛇腹のあのマイクであってほしかったところだが、これはあとで探してきてとりかえれば充分か。アルペジエイターのテンポは外部MIDI同期できるのかな。だとしたら、これを2〜3台、2〜3人で閉じこもって、ひたすら寝食忘れて20時間ぐらいペコパコグニュグニュやっていると相当良さそうだ。

スクイークであそぼう

tech

小学校4年生の息子が、「お父さん、もし時間があったらでいいんだけど、ゲームのプログラムを作ってみたいから、やりかたを教えてほしい」としばらく前からいっていた。

うーん、難しい。

僕がそういうのを覚えた高校一年のころは、それこそ8bitパソコンで、VRAMに1バイト書き込むと画面のソコに字が出るとか、キーボード入力はINKEY$だとかPC-8001だと INP()で行けるとか、そうしてそのうちZ-80のマシン語とかいう段取りでモノを覚えていったのだけれど、いまのWindowsな時代の子供は、いったいどこから足がかりをつけたらいいのだろう。

おそらく一番大事なことは、やりたいこと (目標、仕様) を明確にして、それを構成しているもの、そこに至るいろいろを分解して切り分けて明快にかんがえていくことだと思うので、料理の話 (カレーをつくるとはどういうことか) をしたり、あるいはテレビやパソコンやアニメで、画面のうえのモノが動いてみえるとはどういうことかを説明したりしていたが、じゃあ実際に何かパソコンでやってみたいとすると、はて何がいいのやら。

昔だとMacintoshのHyperCardという偉大なものがあったんだがな、とおもいつつ、ヨドバシカメラの書籍売り場にいってみると。

14歳からはじめるC言語わくわくゲームプログラミング教室という本があって、いまや無料でダウンロードできるBorland C++を使ったものだったが。

「思い切って、やってみる?」と聞いてみるが、やっぱりどうにも敷居がさすがに高い。
かといって、愛する息子にVisualBasicなど教える気にはならない。「××歳からはじめるHSP」みたいな本もいくつかあったが、こんなもの覚えたらダークサイドに落ちてバカになるだけだ。息子もどれを読んでよいものやら、どうにも困っているようだ。

ちなみに、「まえに遊びにいった、ピザをおしえてくれたおにいさん」が、コンピューターの勉強になる本をいっぱい出しているのを知って、「へー、すごい!」と感心していた。(kmutoさんのこと)

イマドキの子供なら、いっそFlashのActionScriptあたりから道を覚えてしまうのも、洒落ていてたのしめて、案外実践的かもしれないとおもったが…

迷っていたところみつけたのがこの本。「スクイーク」って、Squeakじゃないですか。中身もカラフルで、ていねいにわかりやすく書いてある。良い意味で「プログラミング」というよりも、モノを作って、うごかす。という本筋を追っている。なんつっても Smalltalkの末裔、肌と体でオブジェクト指向というかアニミズムな感じ。HyperCardのあの香気もただよっている。もちろんSqueakの処理系環境もWindows / MacOS用のものがCD-ROMでついている。でもって、帯巻きと、巻頭に笑顔の写真いりでこどもたちへのメッセージを述べているオジサンは、アラン・ケイ御大ではありませんか。速攻で購入。

スクイークであそぼう【CD-ROM付】

スクイークであそぼう【CD-ROM付】

  • 作者:Thoru Yamamoto,阿部 和広
  • 翔泳社
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帰宅して、さっそく妹と一緒に、まずは絵を描いたりして大笑いしながら喜んで操作している。

で、食後、その「絵」、つまりオブジェクトにアクションとかビヘイビアを与えるあたりに取り組んでいるようだ。まずは、かなりいい本・処理系にであえたようだ。よかったよかった。

車検

car

うちの C5 Break も5万kmこえて、5年目の車検。
イニシャルで9万もとられた。ひえー。

Blues / Fortran 5

music

Muteレーベルの、5人ぐらいの、なんだろう、ハウスというかテクノというか、要はポップバンド。適宜力が抜けた、なんつかモンティ・パイソン風のユーモアのある楽曲、編曲群。たしかにジャケットのデザイン・テイストを見ただけでその筋の感じはする。

The Blues

The Blues

  • アーティスト:Fortran 5
  • Mute
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悪くはないのだろうけど、どうも僕は好みというか、ユーモアの周波数というか、肌があわなかった。

Aliens Ate My Buick / Thomas Dolby

music

ヒットしたテクノポップ「彼女はサイエンス」(彼ってこの曲の一発屋みたいに認識されているのかも)とかの次の動きあたりに出たアルバム。モロにオバカさんポップ・アルバム。もちろん計算ずくなんだけど。その計算ずくが透けてみえたりするあたりもかわいい。なにしろ「エイリアンがボクのビュイック食べちゃった」だから。

Aliens Ate My Buick by Thomas Dolby (1999-02-01)

Aliens Ate My Buick by Thomas Dolby (1999-02-01)

  • アーティスト:Thomas Dolby
  • EMI Music UK
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一曲目のThe Key To Her Ferrariは、エンディングにBecause aliens ate my buick.. とつぶやきが入るぐらいで、アルバムの主題みたいな曲。軽薄なブラス、間奏でフェラーリのシフトアップの擬音をノリノリで入れるギタリスト、まさにアホ一直線ですばらしい。ほか、バブルガムなポップ、ファンクっぽいナンバー、ミドルテンポの、昔のポップなトーキング・ヘッズを髣髴とさせるような曲、メロウなBudapest By Blimpなど、いろんな曲がカラフルに並ぶんだけど、どうもこのへんがこの人の欠点というか、「器用貧乏」というやつで、どういう音楽が看板というかノレンなのかどうもはっきりしないのが難点だ。

このあとThomas Dolbyは、いまでいうと音楽再生に特化したFlashみたいな、Beatnikというブラウザのプラグインを開発するインターネット・ベンチャーを起業してCEOになって、僕もNetscape Navigator 2.0あたりで試した記憶があるけど、その後どうなったのやら。

777 / System 7

music

スティーブ・ヒレッジひきいるアンビエント・テクノ・ユニット。

民族系打楽器などもはいって、悪かないです。

777

777

  • アーティスト:System 7
  • A Wave
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ただ、素材として素敵でシブいループ集、という感じで、このCDを黙って真面目にずっと聴く。という行動にまで至らない。何かのアート系イベントとかインスタレーションのバックにかかってたら、かなりイイ感じなんですけどね。

ただ、8. `Faydeaudeau' や9. `7:7 Expansion - Double Edged Sword' などは、The Orbに迫るセンス・オブ・ワンダーを感じるスペイシーな音空間とかがあって、単品でもじっくり鑑賞できる。

転々 / ヒカシュー

music

十数年ぶりの、ヒカシューの新譜。ニューヨーク録音。

転々

転々

  • アーティスト:ヒカシュー
  • インディペンデントレーベル
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うーん、難解。ゲストにジョン・ゾーンがはいっているのだが、というかこれジョン・ゾーンのアルバムそのものってぐらい、キチガイ感満点。いつもの4人での、歪んですきまだらけのインプロビゼーションに、巻上さんの朗読、朗唱。

巻上公一というと、NHKの「おかあさんといっしょ」のお兄さんばりの朗々とした声の印象があって、こんなにアジア密教的な潰した声までバリエーションがあるとは知らず驚いた。

会社から家まで歩いて3時間

diary

いろいろ出口のない考えごとなどあって、会社から家まで歩いてみた。
初台の会社を出たのが00:00ちょうどぐらいで、途中めしを食っていた時間を除くと、石神井公園の自宅まで歩いて3時間だった。
こんなことでも、日常という海底から、ちょっと海面に口をだしてぱくぱくしてみる程度のことにはなる。

家まで歩いたのはこれで3回目。
小学校のとき、合宿のかえりに、リュックのどこか奥底に定期券と財布がうもれてしまい、ええい面倒くさいと九段の学校から西落合まで歩いたのと、
浪人中に、どうしても予備校にいく気がしなくて、自宅から代々木まで歩いたぐらい。
このときは、夏だったので、なぜ予備校にいっただけでそんなに日焼けをしたのかとずいぶん訝しがられた。

ほぼ10歳、ほぼ20歳、ほぼ40歳のときに自宅と通学・勤務先を徒歩移動していることになる。
この流れでいくと、次はほぼ50歳のときだろうか。あるいはほぼ60歳のときだろうか。80はないと思うけど…