吉祥寺Star Pine's Cafeでヒカシューのライブ。音楽仲間など4人で。
ヒカシューは来年で結成30年らしい。すごい。ヒカシューが最初にライブをやって世にでたのもここ吉祥寺だったらしいので、なんかルーツ的な感じも手伝って楽しみにしていた。
暗くなったステージに、いきなりかかった曲は「ピノ・パイク」(井上さんのRoland SYSTEM 100M + アナログシーケンサ最高)で、うわぁー、やったーと思っていると、巻上さんのしずかで太い声で口上がはじまり、開演。
ヒカシューを初めて聴いたのは確か中三か高一のころで、1stの「ヒカシュー」や2ndの「夏」、そして「うわさの人類」あたりまでが同時代として聴いていたころ。
ヒカシューは想定外に「ライブ・バンド」だった。
演る曲とリハでやった曲は全然ちがうし、そもそも曲とか構成決めてないんだよねー、と巻上さん。相変わらず伸び伸びとした声で、たのしく場をまわしており、まるで漫談を見ているようなおもしろさ。
ギターの三田超人(みたフリーマン)は、いまだに僕のなかでは昔のなまえの海琳正道さんなんだけど、想定外に踊ってくれたり、素敵でかわいくてかっこいいオジサンで、もうまいった。かわいいーー。
ベースの坂出雅海さんもいい感じ。
当時リアルタイムに聴いていたのが80年代前半までなので、どうしてもこのあたりまでのオリジナルメンバーに対するほうが見ていて思い入れが強くなってしまい、もう井上さん+メロトロンは無いんだなとか、いつの話なんだよそれは、ということを思ってしまったりする。
巻上公一のまえにあるのは、最初一瞬譜面台かと思ったけど、Moog thereminである etherwave. 足下のエフェクターもモーグ純正で、歌い踊りながらテルミンを操り、愉快で奇怪な音を繰り出してすばらしい。
キーボードはなにげに往年の名機コルグDW-8000 (6000だったかな?) で、実に渋く趣味がいい。
最初、「転々」な感じを延々をやるのかなと、オルタネイティブな気合いも入れてのぞんだが、ふたを開けてみれば、そこは「うた」と「音」のたのしい博覧会という感じ。
途中に15分の休憩をはさみ、前半はわりとインプロとかフリー演奏が多めで巻上さんのホーメイも聴けたり。
後半は巻上さんの口琴から入って、割とポップな感じで。ニューシングル「入念」は「デジタルなフランケン」も「カレー三昧」も全部演った。
中期の曲は知らないのが多かったんだけど、なんだかんだで懐メロの「20世紀の終わりに」とかもやってくれました(僕らがやってやってーとうるさかったせいかも?)。
「瞳の歌」「ガラスのダンス」あたりでいったん締め。
アンコールは、一曲目が、聴いたことあるんだけど曲名思い出せず、ちょっとマグマっぽい複雑・変拍子・緊張感あるやつで、そのあと「パイク」。「ピノ・パイク」ではじまり「パイク」で締めたなあとおもいつつ、さらにアプローズしていると、セカンド・アンコールもやってくれて、「プヨプヨ」ですよ。こうなると、もう座って聴いているのがもったいないぐらいです。
mixiとかの話もしていて、ニコニコ動画だと、僕らのプロモに好き勝手な文句をみんなが追加してるので面白いとか、YouTubeにも誰かがいろいろ載せてくれてたんだけど、面倒くさいひとたちがいつしかどんどん勝手に抹消してしまうので、見つけたらすぐダウンロードしないとなくなっちゃうヨ、とか、なかなかいいですね。そもそもライブの最初の口上で、録音や撮影は… 勝手にどうぞ自由です。とか巻上さんがいってました。いかすなあ。
というか、巻上御大みずから、「20世紀の終わりになら、最近はミクちゃんも歌ってますよ」といっておられた。たぶんこれ。