「衝突する宇宙」という、ヴェリコフスキーというオッサンが書いた、とあるものすごい仮定を太陽系の歴史に施すと、宇宙や地球の歴史はすべて聖書にあるとおりになるという、いわゆる「トンデモ系」の怪書籍があるのだが、本作はあえてそれに則って、いわばストーリーをSF小説として「実装」したもの。
うーん、それなりにセンス・オブ・ワンダーがあったのは上巻後半ぐらいで、とくに下巻はまるまる全部が地球を襲うカタストロフィの描写ばかり。「ID4」と「アルマゲドン」の画質の悪い3倍速VHSダビングをひたすら見せられているような、ひたすらまずい大盛りカツカレーを食わされているような、ちょっとつらいものがあった。大味なドシンバタンSFを読みたい人にはいいんじゃないすかね。おれがホーガンに期待するものとはちょっと違った。