昼ごろ車で浜名湖にむかう。ちょうど大型台風が西日本を襲っていて、東京から中部地方にむかう我々にも、ときおり雨風がおそう。
天気がわるいせいもあるのか、浜名湖のあたりは、ケイリン場と渋い温泉地しかない雰囲気で、とても渋い。
奥さんがいろいろ調べてくれた「加和奈」といううなぎ屋に行く。実は浜松に詳しいHANZUBONさんもこの店がお勧めだったようだ。やはりアタリだったようで、アットホームな雰囲気、良心的なねだん、皮がパリっと香ばしい蒲焼、あとワサビとタレでいただく白焼き「うなわさ」など、すっかり楽しむ。
宿はあわてて、浜名湖湖畔の舘山寺温泉というところに安いのを取ったのだが、なんというか、とてもクラシックで渋い。健康的に受け取れば合宿っぽい。この温泉町、いちおう近代的なホテルと遊園地を組み合わせた近代的な景色も持っているのだが、我々が泊まったのはその裏のほうの、街も店も路地も実にガロというかつげ義春なところで、しかしなんか不倫の世を忍ぶ出口のない旅情。みたいな感じもして、ほのかに不健康な気配がこれはこれで刺激的でよかった。