Color Theory Presents Depeche Mode / Color Theory

Depeche Mode のトリビュートアルバム。これはもう、たいへん素晴らしく良い。

Color TheoryはBrian Hazard という人のひとりユニットのようで、シンプルかつしっとりした感じのポップスを10年ほどやっているようだが、このアルバムは、このユニット(この人)によるデペのカヴァーをまるまる一枚ひたすらおさめたもの。

I Want You Now
Sister of Night
It Doesn't Matter
Sweetest Perfection
Here Is the House
I Am You
World Full of Nothing
Surrender
But Not Tonight
One Caress
Leave in Silence
Ponytail Girl

選曲もなかなか渋くていいでしょ。おっと、最後の Ponytail Girl という曲だけこのひとのオリジナルらしい。

まさに Martin L. Gore がすこし若やいだような、少年っぽくも男太さを併せ持った声で、とても感じがよく、うまい。オケも実にすばらしい。シンプルかつ若干チープな音、ベーシックでありつつも屈折・毒を織り込んだデペ独特の音世界を、真似するのでもなく、別の角度から同じゴール、いや近いレベルを目指して、しかもそれにほとんど成功している。オルタネイティブでありながらもシンプルな組み立てにより、マーティンの楽曲の良さが、ふたたび十二分に発揮されている。Martin のソロの Counterfeit 連作 (Counterfeit EPCounterfeit2)、あるいはYazoo の 1stに迫る、これは大人の鑑賞に耐える、あらたな一級のエレクトロニック・ポップだ。 I Want You Now, Here Is The House (これも切ない曲だよねえ…),Sweetest Perfection あたりが特によい。

私はiTunes Music Storeで見つけた。残念ながら amazon.co.jp にはまだ入荷していないのだが、アルバムのサイトで試聴もできるので、良質の大人のエレクトロニック・ポップを聴きたいかた、デペファンならぜひぜひ。鉄板でおすすめ。  

Color Theory Presents Depeche Mode

Color Theory Presents Depeche Mode