東京ディズニー・シー

朝っぱらから行ってきた。

本当はディズニー一直線というか、ミッキー満点な世界はかなり苦手なのだが(ウォルト・ディズニーという人はレスペクトしているが)、Disney Sea のほうはターゲットがもうちょっと大人向けなせいか、園内にいても、ミッキーな事象はほとんど見かけない。ときどきあるパレード系なイベントにはさすがに乗物のてっぺんにミッキーやグーフィーといったイコンが踊っているのだが、それだけだ。

なかはヨーロッパ系、アラブ系、アジア系、アメリカ系、未来系とジャンルが分かれていて、それぞれ色調も微妙に渋めで、なかなか良い。スタッフは、ミュージカルで歌う人から掃除のお兄さんお姉さんまで、全員笑顔のホスピタリティにあふれていて、ここらへんは東京ディスニーランド同様、オリエンタルランドの素晴らしいところだ。
あいかわらずゴミひとつ落ちていない。ゴミがあれば掃除の人がさっさと拾う。そればかりでなく、Disney Seaというだけあって園内には川や海や岸辺がいっぱいあるのだが、水面、海面にはどこにもチリひとつない。このクォリティを日々維持するのは相当大変なのではないか。

あとよいのは、入場料に乗物代など全部インクルードされた券が1種類という、システムがモノグレードなことで、中に入ったら、このアトラクションは何ポイント必要なんだっけなとか考えたりポケットをごそごそやったりする必要がまったくない。全部入り。遊びに来てまでヤリクリをあれこれ考えなければならないのは考えてみれば苦痛なことで、出来のよい出し物や歌や演劇全部込みで大人 5,500 円はかなりバーゲンだ。

イベントも、Disney LandのほうのElectric Theatreはミッキー全開の、個人的にはあぁ早く終ってくれないだろうか、見ている俺が痛いつらい。という感じだが、たとえばDisney Seaのメインの海? で繰り広げられるショーは、舟にモーターボートに、いろんな音楽のエッセンスをちりばめたエンタテイメントとして大人も楽しめるもの。大団円の、何台ものイルカのモーターボートが5連の凧をくるくる引きながら海上を乱舞する趣向は、海と空のアクションが融合しており、素晴らしい。

あとはメシがなんとかなればというところで、ボンカレーレベルに 980 円とか出すのは悲しいが、ここは文句を言っても野暮だろう。

冬だったせいもあろうが、特に待たされるアトラクションがなかったのも良かった。夏だったらこうはいかないのだろう。また、偶然この日からスタートだというディズニー・ワールド・ミュージック(正確な名前は忘れた) というイベントは、さすがに2時間以上前から並んでいないと見られなかったようだ。

しかし本当にディズニー・ネイティブなイコンが少ない。工事中の看板にミッキーが印刷してあったりはするが、逆に建物のペイントや外形などからは、あらゆる注意深くそういった意匠が避けられている。
たとえば、人魚姫のアリエルをヒロインにしたワイヤー吊り物ミュージカルのマーメイドラグーンシアター(これも素晴らしい。吊り物であることを逆に全面に押し出しており、大人の観賞に耐えるエンタテインメント)、キャラクタの名前はアリエルでありセバスチャンなのだが、見ためは generic な人魚なり魚で、ディズニー固有の属性はない。

東京ディズニーランドのほうはともかく、東京ディズニーシーのほうは、いざとなったら、US ディズニーとの契約に尻を割って、独自展開にすぱっと切替えることも可能だな、Disney Sea の初期計画の出資趣意書にはそんなリスクヘッジについても微妙に書いてあったりしたのではないか、みたいなことを思っていた。Pixar も Disney から離脱できたしね。