saveunder

saveunder

saveunder は X 用語 (コンピュータ・グラフィック用語かな?) です。辞書にはないでしょう。

訳は.. セーブアンダーです。これは技術用語であり、この表記が定着しています。

ウインドウ同士が互いに重なりあうことを許すウインドウ・システム*1では、 A さんウインドウのうえに重なって B さんウインドウが出て、で、B さんが移動なり消去されると、B さんにのっかられてた A さんの領域は、当然 画が消えちゃってるわけです。
普通はウインドウ・システム側が、A さんに「アンタ、消えとったところがまた晒しモンになっとるけ、また描きなおさんとあかんで」というイベントを送り (Exposure とか Expose とかいう)、 A はおっと、いけねえと自分(の一部)を描きなおします。
が、そうじゃなくて、ウインドウ・システム (この場合は X) が、 B が A のうえにまさに馬乗りになろうとしているのを見かねて、 B によって「上描き」されてしまうであろう領域を、保存しといてあげる。
で、B の移動または消去によって A の消えていた部分が再び晒されそうになったら、取っておいたデータを使って「ウインドウ・システム」が戻してあげる。こういう仕込み、「敷きになって消えちゃうところを保存しといてあげる」がセーブアンダーです。

A にとっては、B に馬乗りにされたとか再描画するとか意識しないでいいんでとてもヨサゲではあります。が、実際は、なんだかんだ言ってアプリケーション(ウインドウ) は周辺の状況をきちんと意識してたほうがいいし、セーブアンダのために下手に画像領域をデータ転送とか BitBlt するよかさっさと再描画したほうが早い場合もあるし、なんかメモリばっか食う割にトータルではかえって遅いし余計なお世話なこともあったり、なんだかんだ、実はそうおいしいもんでもないです。

実際に「X の Window」で saveunder が効いてる例もあまり出合ったことはないっす。あ、あるメーカの Motif の PopupMenu かなんかで、おお効いてるじゃん。ってこと程度ならあったかな

これはあくまでも X のオプショナルな機能ですし、仮に saveunder をアリに設定しても、必ず saveunder されるとは規定されていなかったはずです。

ほかのウインドウ・システムでも「セーブアンダー」といって揺れなくはまるかどうかは、わかんねっす。


*1:許さないのはタイリング・ウインドウね。Windows 1.0 とか Digital Research GEM とか