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The Innocents / Erasure

エレポップの老舗大御所Erasureのサード・アルバム。1988年。
いちばん脂が乗っていたころのイレイジャーではないだろうか。
当時はもちろんCDが擦り切れるまで聴きこんでいたが、どうもうっかりリッピングを忘れていて、なのでこの十年ぐらい聴き忘れていた。
ひょんなことでまた聴いて、あらためて名盤だなぁと。

実にどまんなかのエレポップ、それも粒揃い。
楽曲もシンプルで力強く、歌詞もマイノリティ視点を忘れないポジティブなもので、まさにこれぞイレイジャー。

知恵遅れでいじめられっ子のクラスの子を歌ったm2 Ship of Fools, 内気で引きこもりな女の子が想像上の彼との恋に落ちていきそうになるm3 Phantom Brideと, エレポップ作曲職人のVince Clarke, 誠実で力強いAndy Bellの歌唱のちからで、座ってじっと聴きこむと涙腺にうっ、やばい… とくるクォリティの名曲群だ。

いまもちょっとうるうる来ている。歌詞世界とは直に関係ないけれど、寂しさのあまり病みかけた女の子に対して、涙を拭いてあげるよとゲイの男の子が歌っているから、ひときわ優しさや男女を超えた友愛が立ち上がってくるのかもしれないね。うわーん。

アルバムの1曲めA Little Respectは、徐々に盛り上がる編曲・メロディともに、ヴィンスの冴えまくった一曲。こちらはライブでどうぞ。僕も80年代末期にErasure来日いきましたが(Wild!が出たあたりだったと思う)、アンディは顔は割と普通のにいちゃんなんだけど、露出度しっかりのいろんなコスチュームで歌って踊って盛り上げて、ほんと良いエンターテイナーです。

 

ところで、このアルバムにはYahoo!という曲も入っているのですが、感嘆符もついた形でのYahoo!という文字列が世界で最初に現れたのは明らかにこの曲名です。このアルバムがリリースされたのは1988年ですから、会社のYahoo!はおろか、ジェリー・ヤンがスタンフォードでakebonoとか立ち上げるよりもずっと前、そもそもWorld Wide WebとかGopherが発明されるよりずっとまえです。

僕は1994年ごろまで、The Internetとは生ip接続された環境ではなく、netnewsでTim Berners-LeeがWorld Wide Webにようこそとか書いているのを指をくわえて見ていたんですが、W3 (www) って静的なデータ公開手段だと思っていた僕に、

いや動的に結果を返すこともできるよ、USにそういうのやってる学生がいる、来てごらん。

と、会社の自室に連れていってくれて、生ip接続されたMacintosh II vx (たぶんTCP/IPスタックはMacTCP, W3ブラウザはMacWebかな?)で、問い合わせ文字列を入れると動的に結果を返してくる、USの大学生がやっているW3実験サイトを見せてくれた人がいました。それがJerry Yangのakebono.standord.eduで、つまり僕が生まれて最初にアクセスしたインターネットのサイトはYahoo!です。

その人はYahoo!のことを「やほー? やっほー?」と読んでいましたが、僕は最初から「ヤフー」と正しい発音を知っていました。それは、この曲のサビでAndyが「♪ヤフー!」と歌ってるのを聴いていたからですね。きっと。

 

m1 A Little Respect
m2 Ship of Fools
m3 Phantom Bride
m4 Chains of Love
m5 Hallowed Ground
m6 Sixty-Five Thousand
m7 Heart of Stone
m8 Yahoo!
m9 Imagination
m10 Witch In the Ditch
m11 Weight of the World
m12 When I Needed You
m13 River Deep, Mountain High

The Innocents: 21st Century Edition/+DVD

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The Innocents

The Innocents