睡眠時無呼吸症候群

自分のいびきというものは自分ではわからないもので、でも結構いびきをかくほうらしい、とは、その筋の各方面のかたがたから伺っていた。

それに加えて、私のいびきを聞いていたら、急にそれが止まってしばらく無音状態になることがあり、このまま死んじゃうんじゃないかと、かえって不安で気になってしょうがない。というご意見も、電通の調査ではときおりあがっていた。そういえば死んだ父もそういう感じだったらしい。

おまけに、いつからかはわからないが、朝に弱いのは昔からとは思っていたものの、この一年ぐらいどうも本気で毎朝しんどい。寝た気がしない。寝れてない。眠い。爽やかな朝ってなんですか? 午前中は飲んだ珈琲のカフェインが私のかわりに仕事をしているようなものだ。えっと話半分です。

そんなわけで、以前から睡眠時無呼吸症候群というものはちょっと気にはなっていたのだが、先日、自分で「自分のいびきが止まったまま酸素が無くなって、ぐがっとして覚醒する」という体験をし、これは「うっかり風呂で寝てしまって、溺れかけてびびって起きた」に近いものがあった。これはさすがに調べたほうがいいなと思い、平日の午前だけど病院をはしごしてみた。

睡眠時無呼吸症候群はSASという略称でも呼ばれているらしく、個人的にはSASというと英国の特殊部隊のことがまず思い浮かぶけれど、一時間に無呼吸が5回以上あるとSASと認められ、保険診療の対象になるらしい。まずはそれを測ってみないといけない。そのための専用機器があり、それはSASを扱っているクリニックに行くとあるそうだ。なので診療所を紹介していただき、探して訪問。

先生に説明いただき、機材を貸していただき、看護婦のおねえさんに装着方法を習い、とりあえずそこから出社。ここでだいたい3,000円ぐらい。ここではまだ保険は利いてない。

仕事からかえり、もはや深夜だが、さっそく装着してみる。

携帯用睡眠時無呼吸検査装置 SAS-2100

メーカーは日本光電だ。学生時代、下請け工場でバイトしていたので懐かしい。

指先にもプローブをつける。で、手首に装置の本体を装着する。プレデターの自爆装置のようである。オマエ、ナン、ナンダ…

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で、もう一方の伸ばした管のさきっぽを、両方の鼻の穴と、くちびるにつっこんで、パイプを耳にかけ、専用テープで固定する。このままiPodにも接続して音楽を聴けるようになっていると好都合だが、そうはなっていない。もちろん、面白いので写真を撮る。

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で、翌日、検査結果が記録されたSAS-2100をクリニックに返却し、後日検査結果を伺いにいく。

6時間の計測時間のうち、無呼吸が107回、一時間あたり17回。低呼吸が28回、一時間あたり5回。結局、一時間あたり22回「ヤバイ」とのことで、みごと睡眠時無呼吸症候群と診断される。

「無呼吸のうち、最も長い無呼吸時間は 315.9秒で、睡眠中酸素飽和度は81%まで低下しました」ということらしい。

つまり、最長5分強、息が止まっていたらしい。

これはなかなかすごい。5分あれば、僕が海女さんだったら、海底からコンブや真珠を充分採ってこれるであろう。5分あれば、僕が「2001年宇宙の旅」の隊員だとしても、狂ったコンピューターに酸素パイプを切られたり宇宙船に戻るハッチを閉められたりしても、ある程度若干なんとかなるだろう。

今後は、睡眠中に強制的に空気(酸素じゃなくて)を送り込む装置を手配してもらって、顔面にマスクとパイプを装着して寝る生活をやってみる流れになるようだ。

来年は、ちょっと戦闘機のパイロットとか、ガンダムのザクとか、ディグダグでやられる敵キャラみたいな気分のナイトライフを送ることになるだろう。装着したままステージでVJをやってもいいだろう。

不謹慎なのだが、どうもこういうのを面白がってしまう性分なので、しかたない。

 

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