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History of Modern / OMD

OMD (Orchestral Manoeuvres in the Dark) の, 14年ぶりのオリジナル・アルバム。

前作Universalが出てから14年も経ってるのか。うへぇ。そういえば、新入社員の自己紹介に「誕生日: 平成元年…」とか書いてある時代です。

Sugar Tax, Liberator, Universalと、ここ20年ほどの(うへ… 歳取ったな…)OMDのアルバムには、そんなにピンと来てなかったので、これもどうなんだろうな… と思いつつ手にしたのですが、なかなかスルメな一枚。気づいたらまるまる一日こればかり聴いている日もあります。

しばらくずっと解散状態、というかたった独りの構成員だったアンディがここ数年書き貯めていた曲がメインのようで、しかしこのアルバムではメンバーはAndy McCluskey, Paul Humphreys, Martin Cooper, Malcolm Holmesと、黄金期の4名構成に戻っています。

懐かしの、あっけらかんなニュー・ウェーブっぽい 'New Babies; New Toys' から幕を開けます。If You Want It, Sometimesは、いかにもアンディのスコアっぽい、前向きOMDポップですし、さらに History Of Modern (Part I), History Of Modern (Part II), RFWK, Pulse, Greenといったナンバーには、Junk CultureOrganisationといった、素直で瑞々しいポップでありつつ実験精神も横溢しているという、あの独特無比なOMDの空気が満ちています。

特にRFWKという曲のタイトルは、Computer World ごろの全盛期のKraftwerkの4人, Ralf, Florian, Wolfgang, Karlの頭文字だそうです。いかにも、に、まろやかなノコギリ波が牧歌的オマージュなポップです。

New Holy Ground は、8bitだった初代 Fairlight CMIのストリングスみたいな荒れた音をわざとつかっていて、Dazzle ShipsのB面から出てきたかのような雰囲気です (The Romance of the Telescopeとか、あのへんね)。

そこでいうと、Bondage of Fateも、おなじく今度はArchitecture and MoralityのB面あたりにありそうなんだよなあ。哀愁と、あったかく寂しげなあたりが。

で、最後のSave Meですが、アレサ・フランクリンと, OMDのいにしえの名曲Messagesをまぜた一曲。なんとまあ。

で、Sister Marie Saysは、以前も書いたんですが、名曲Enola Gayの再来というか、当時書いたけどエノラ・ゲイに似すぎててボツになってた由来の一曲。ちなみに、一年まえに無料ダウンロード提供されてたトラックよりも、もっとしっかりつまったミックスになってます。エノラ・ゲイ度を上げていた「ポコポコポコポコ」のシーケンスも、かなり押さえた音になってます。

OMDって、ポップと実験という、アイディアとテクノロジーを手にして無心に遊ぶ感じが、イベントの Make: っぽいと思うんですよね。その Make: っぽさすら、そこはかとなく復活している一枚。その筋にはかなりおすすめです。