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S-Videoケーブルを100m延長する方法

今回の赤坂Blitzのステージでの僕の悩みどころは、ステージからPA卓まで、どうやってビデオ信号を持っていくか。

事前にBlitzのかたと打ち合わせたときは、
プロジェクターがあるのはPA卓のあたり、
ステージからPA卓へビデオ信号を持っていくための先行配線はBlitz側にはない、
ただ、余裕見て60mのケーブルがあれば、壁沿いのフックにひっかけて養生もすれば、オーディエンスとの干渉もなくステージとPA卓を配線できる、
とのこと。

というわけで、60mのビデオケーブルがあればいいわけだけど。どうするか。

こちらの最終出しはKORG Kaptivatorなので、出力はRCAピンジャックのNTSC/PALコンポジットか、S-Videoになる。
コンポジットのまま60mというのは、60m先の映像信号がどんなシロモノになるのか、はなはだ心もとない。別に予算のプレゼンをやるわけじゃないから、細かい文字をくっきり! という要求じゃないけれど、あまりにボケボケなのはせつない。
30mおきぐらいで、途中でブースターかませばいいのかもしれないけど、ステージとPA卓のどまんなかに、観客から安全にブースターを設置できるかは厳しそうだ。

S-Videoも規格的に60mはなさそう。

と、調べていたら、S端子ビデオ信号 エクステンダー 最大300m延長 (映像信号延長器:UTPケーブル延長型)というものを発見。
カテゴリー5のUTPケーブルを使ってS-Videoを延長しましょうというもの。100BaseT端子とS-Video端子のアダプタ、に見える代物だ。
別にA/D, D/A変換してるわけではなく、単にCAT5 UTPケーブルという、ある程度高規格で入手容易な既存のケーブルを斜め上に活用するということだろう。当然、Ethernet媒体としての共用はできない。
(もちろん、あいだを無線LANで… なんて無理無理)

若干不安はあったが、マッハで発注。
(ちなみにこの会社は動作試験用の貸し出しもしてくれるようだ。僕の場合は単に時間がなかった。)
すぐに発送してくれ、すぐに着荷。

S端子ビデオ信号 エクステンダー

CAT5 UTPケーブルのほうは、50mを超えるとなかなかそうは売ってない。amazonにもないし、あれこれ店をまわる暇もない。
だとすれば当然、秋葉原の愛三電気に直行だ。

家庭菜園で汗を流したあと、久々に秋葉原へ車を飛ばす。

80年代初期のNEC Bit-Inn時代からの秋葉原歴である俺には、もはやチチブ電気やアキハバラデバートすらないキモオタ禁煙エリアである現在の秋葉原には、たん清愛三電気以外には用はない。

しかし、愛三のたたずまい(だけ)は、昔からちっとも変わっておらず、「お前… 何しに来た?」というハードルの高い雰囲気も不変だ。すっかり安心。余裕をみて、100mのCAT5 UTPの生巻き線に、両端に口を付けてもらう。このAISANの箱だけでどんだけ安心感があるかというものだ。

帰宅してテスト。すこしはぼやけている気がするが、充分充分。

当日、Blitzの壁沿いのフックにそって配線。問題なし!

というわけで、相談に乗ってくださったIMAGICAの諸先輩方、現職場のステキなVJ方面のみなさま、セットアップの@Ushxue氏,@halah555氏,みなさまどうもありがとうございました。

ちなみに、なんとなく思っていたことですが、ライブとか演劇セットアップの経験値と、データセンタとかのネットワークエンジニアの経験値って、そこはかとなく似ているところがある気がしています。

・どんなに準備しておいても、当日絶対何か忘れる。
・なので、当日の自分は地上最悪のバカだと考えて、入りから撤収まで作業予定表・香盤表を作っておけ
・どんなに準備しておいても、当日絶対何か壊れたり切れたりする。
・なので、事前の「そんなこともあろうかと」力が重要。
・なので、現場の機転と発想力が重要。
・「何時に来い」と指示した奴は、絶対時間には来ない。ミュージシャン、演劇関係者、ネットワーク・エンジニアは、世界のベスト3自分勝手職種である。
・「君の持ち分仕事はもう終わったから、もう待機・帰宅してよし」と言い放つのは、現場責任者のたいへん重要な仕事のひとつ。
・とにかく現場には車で行っておけ。いつ何をどこに、とっさに買いに行ったり運んだりしないといけなくなるか分からない。

80〜90年代のMIDI機器やシンセは、しょっちゅう壊れました。シンセやMIDIや打ち込みを多用したライブは、ただでさえ世の理解が得られないうえに、動作障害で、イライラして帰っていく客を前に、10分とか20分とか原因不明のトラブルシュートを繰り返すことも多くありました。

ただ、おかげで、「アセると余計問題解決が遠のく」という基本原則が叩き込まれた気もします。
社運をかけたサービスの、社運をかけたロードバランサがちっとも動かない、社運をかけたスイッチやapacheがまったく動かない、みたいなときに、
「あらまあ。さーて、じゃあ一服でもして考えっかな〜」
という図々しさが身に付いたのは、こういう経験のおかげ、かも、しれません。