ステアリングカバー交換

C5のステアリングカバーがヨレてきたので取り外して捨てた。

ぼくのC5は初期の2.0なので、ステアリングがプラスチックのまま。これがどうにも安物で、我慢ならない。
その前に乗っていたXantiaも同じくプラだったけど、太さも握りも申し分なく、都内をコマネズミのように走り回るのも、一日1,000kmレベルの巡航も、快適・信頼だった。
そこいくと、初代C5のステアリングはほんと安物。時給+残業代でももらってないかぎり、数kmで運転がいやになっちゃう。
あと、輪の裏側(向こう側)に、おそらくプラ成形の小さな湯口が2ケあって、微妙にポツっと指に感じる。これが、まるで誰かがなすりつけたまま固まったハナクソのような感触で、実に不快だ。
こういうのって、気にしなきゃいいのかもしれないが、計算機のキーボードとかマウスとかエディタの設定みたいなもので、気になるひとには生命にかかわるレベルの話だ。

なので、買って割とすぐ、安い黒いカバーを買ってつけていた。ただこれはどっちかというと白とかピンク色のほうがメインのラインナップの、いやむしろ金華山カバーとか虎皮Ayu仕様のほうにフォーカスしているようなヤンキーむけ商品で、いすゞエルフ用 水中花入りシフトノブなどの親戚にあたるものだ。

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これがかれこれ7万km走ってダメになってきたので、いろいろ物色。イタリアの某メーカーが、まさにC5用の本革手縫いカバーを出しているのを発見したのだが、値段が1〜2万とか、納期が半年とか、あげくのはてに、そのメーカーのラインナップをぐぐって調べていたら、おいおい、御社のWebサイトってテンプレとか古いバージョンの退避とか、あげくのはてに mysqldump の結果とかベタベタに見えまくってんじゃん。
いやーラテン気質はこれだから憎めないなあとも思ったが、さすがにネットでオーダーする元気はゼロに。つかこんなものを半年も待ってられないのでやめ。

結局お台場のオートバックスで汎用の本革手縫いキットを購入。
さっそく取り付けはじめたが、縫い糸の管理をミスって(洋服屋の倅にあるまじき過ち)、時間もなくなり、仮止め状態で情けなく帰宅。

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日をあらため、糸を補給し、縫い付け完了。なんか野趣あふれる仕上がりになってしまったが、感触はわるくない。これでやっとクルマになってきた。

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ちなみにいままで良かったステアリングは、大学生のころの最初の愛車, Renault 5 TS のもので、革巻きなのは左右の握りのところだけだったけど、GTの文法どおり左右の親指置きのくぼみがきちんとあって。

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あとはR32 (スカイラインのほう) のもよかったなあ。

ついでに気に入らないのは、これはもうどうしようもないのだけれど、ホーン(クラクション)ボタンがステアリングパッドなこと。
むかしのラテン系のクルマは「ウインカーのさきっぽがホーンボタン」というのが文法で、サンクもそうだったし、フィアット・ウーノとかちっこい系、そしてひとつ前に乗っていたXantiaもそうだった。
これはもう、慣れるとほかにいったい何があるんですかという使いやすさで、ハンドルの中心とかバーについているホーンボタンなんか、もうアホですかというもの。
しかし世間の標準化(つまらない化)によって、同じサンクでも今の C5 (セ・サンク) は、フツーのステアリングパッドのホーンボタンに設計退化するという愚行を演じてしまった。

計算機の世界だと、親指シフトじゃないと死んでしまうとか、Kinesysキーボードじゃないと精神の平衡が保てない、Dvorak配列じゃないと痔になってしまうというような向きでもキーボード交換とかソフトウェアで配列変更とかヒューマン・インタフェースをカスタマイズして生きのびる工夫ができるのだが、クルマの重要保安部品の設計にからんでしまうと厳しいところだ。やんぬるかな。