渋谷区立中央図書館

いままで、引っ越すときは、図書館が近所にあるかどうかも割と重視していました。Webだのが生まれて一般化してきたいまでは、昔ほどは重きは置いていませんが、それでも図書館は比較的つかうほうだと思います。

住んでいるのはずっと練馬区なので練馬区の図書館を愛用していますが、勤務先がある行政区の図書館も利用できることは多いです。この数年、勤務地はずっと渋谷区なので、渋谷区の図書館も適宜つかっています。初台に勤めていたころは本町図書館をときたま使っていたのですが、現在の勤務地は渋谷区立中央図書館が至近で、ありがたくつかっています。

いまの会社は技術図書購入を支援する手当制度があったりして、書籍入手を通したスキルアップも応援していく感じです。
でも、図書購入って、amazon.co.jpをクリックして、届いた段ボール箱をばりばりと開けて、ビニールで包まれた本をベトついた接着剤からべりべりとはがすだけじゃありません。たまにはリアルに並んだ書籍のなかをさまよい、手に取ってひもとく、そんな時間も悪くありません。原宿の東郷神社の森に少しわけいったところある渋谷区立中央図書館は、まさにそんな場所です。

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この中央図書館、すごく昭和感にあふれています。

書架の一部は低い天井で何層にも仕切られていて、ちょっと軍艦とか潜水艦の中のような密閉ダンジョン感覚があり、しびれます。

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お仕事の調査で本を読みたいというと、コンピュータ関係の書籍ということになることが多いのですが、しょせん図書館ですから、そんな超最新の本があるというわけではありません。「モダンPerl入門」とか「More Joel on Software」をサクっと読みたい! というニーズの場合は、amazon.co.jpをクリックして、届いた段ボール箱をばりばりと開けて、ビニールで包まれた本をベトついた接着剤からべりべりとはがしたほうがいいかもしれません。

でも、こう、もうすこし落ち着いて、「ハッカーと画家」とか GEB (Gödel, Escher, Bach: an Eternal Golden Braid - ゲーデル、エッシャー、バッハ) とか読んで人生も豊かにしたいという場合は、図書館もちょっとオススメです。

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そんなわけで、私もさっそく、以前からちょっと見たかった「DIGITAL RETRO」「Core Memory」の二冊を借りてきました。

見たかったけど、買うほどじゃないし、大冊を持ち歩くのもめんどう、こんな場合に、会社から歩いて5分のこの図書館は、昼休みのおひるのデザートがわりにちょっと乙なものです。

でも言っちゃわるいけど、DIGITAL RETROの日本語訳は正直うんこでした。

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DIGITAL RETRO

DIGITAL RETRO

  • 作者:ゴードン ライング
  • 出版社/メーカー: トランスワールドジャパン
  • 発売日: 2006/08
  • メディア: 大型本
 
Core Memory ―ヴィンテージコンピュータの美

Core Memory ―ヴィンテージコンピュータの美

  • 作者:John Alderman
  • 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
  • 発売日: 2008/02/26
  • メディア: 大型本
 

 

あと痛いのが、中央図書館には視聴覚資料がないんです。ぶっちゃけ、CD置いてないです。

でも渋谷区内のほかの図書館から取り寄せができるし、これらの手続きはWebでできるので、聴きたいCDを探して、予約ボタンを押し、受け取りを中央図書館にセットし、あとは届いたとの連絡をもらったら、昼飯ついでに受け取りにいけばいいだけです。予約は6点までjob queueに入れられます。

日本盤が出ているようなCDだったら、だいたいいけるんじゃないでしょうか。もちろん人気のアーティストだったら待ち人数もかなりでしょうが、それならそれは借りずに買いましょうよと。

そんなわけで、これはこれで、初期の Fantastic Plastic Machine (FPM) とか何枚かWebから予約して借りてみました。カヒミ・カリィとかもはいってます。
渋谷区図書館で渋谷系を借りる。もう、ベッタベタです。

さて。この中央図書館は、本を読む借りる、CDを借りるだけではなく、なんと食事もできます。地下一階に食堂があるのです。

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ココはさらに強烈な、もはや危険なほどの昭和感を醸し出しています。まず値段がすごい。カレー300円、ラーメン300円。食券買ってキッチンのおばちゃんに出すと出てくるので自分でトレイに乗せて食う。免許試験場とかで免許更新待ちのあいだに、さっき見せられたしょうもない交通安全啓蒙映画の、ひき逃げとうちゃんの妻が遺族に見舞いの花束を投げつけられたりするシーンの大根役者ぶりを思い出して暗鬱たる気分になりつつ、ラーメン・ミニカレーセットを口に運んだりする、アレです。

ラーメンは、もうまさにラーメン中のラーメンとしかいいようがないラーメンです。
カレーも、海の家や高校の合宿とかで出てくる、あの業務用カレーそのものです。350円出せばカツカレーになったりもします。

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こちらは渋谷区立中央図書館のハイエンドメニュー、しょうが焼きです。たしか420円だったと思います。平たい皿のめしが食いづらいですが、しょうが焼きはどう作ってもしょうが焼きなので、刻みキャベツとハムに、マヨネーズや備え付けのドレッシングをかけつつ食うと、かなり満足度高いです。ただ、肉からでてくる脂がけっこうたまるので、皿をナナメにかたむけて垂れてくる肉汁を片隅にあつめつつ食べ進むのが渋谷区立中央図書館を利用するテクニックだとおもいます。

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原宿は竹下通りの、まんなかあたりのクレープ屋の脇を折れるとこんな都会のオアシスが隠れていたとは、なかなか穴場です。H&MとかFOREVER 21とか、カットソー500円系の激安系ファスト・ファッションを体験したあとは、ぜひ中央図書館にも寄って、カレー300円系のファスト・ランチというのも渋みのある上級デートコースではないでしょうか。

ただ地下食堂は夕方には閉まってしまいますので夕食につかうのはちと難しいです。あと夕方以降に地下食堂に降りていくと、ホームレスのおじさんがビバークしてることがあるので気をつけましょう。