ROMEO+JULIET

WILLIAM SHAKESPEARE'S ROMEO+JULIETというぐらいで、いわゆるシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の映画です。画と音と色とセンスが独特です。いかしてます。とにかく音楽と見た目をたのしんでください。

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筋はまさにロミオとジュリエットそのもので、大変ベタです。科白も、英文字幕をながめつつ見ていると、まさにシェイクスピアの書いた芝居がかった古い英語です。

なんですが、舞台は現代っぽいです。たぶんアメリカ西海岸っぽいヴェローナという街(もともとはイタリアのヴェローナ)で、市の中心に、敵対する財閥として、キャピュレット・ビルとモンタギュー・ビルが建ってます。

街もファッションもみんなカラフルです。キャピュレットの若い衆も、モンタギューの若い衆も、みんなイカれたファッションやアロハシャツで、ヒップホップに載せてワルそうなクルマで、そんな両者が街で諍いをおこすところから映画がはじまるのですが、画も音も、派手で、美しく、しかしハズれていて、しかし様式で、この感覚はこの映画以外にみたことがありません。ジョン・ウーの「男たちの挽歌」とカラフルなゲイ・ファッションが合体したような、こうですか? いやわかりません! ><
ここのシーケンスはもう何度繰り返してみたかわからないぐらいで、ちょっと他に似たものを思いつきません。ちょっとケレン味も含むハデなカメラワークやズームも決まってます。

ロミオ役のレオナルド・ディカプリオも、ジュリエット役のクレア・デーンズも、なかなかいいです。このハデなアクションとビジュアルをもつ映画のなかで、きちんと主人公として存在感を示しつつも、なんとも微妙な童貞感と処女感? をも押さえており、なんだかんだいってウマいです。クサい芝居がかったせりふ、というかシェイクスピアのお話ですから芝居がかった科白の頂点ですが、きちんと納得で画に収まっています。
あとイカすのが、二人を取り持とうとして、まあ失敗してしまう神父さん。背中一面にでっかい十字架のタトゥー入れて、そのうえにハデハデのアロハを羽織って、そのうえに神父服を着込んで祭壇に立ったりします。こんなにキレててイカしてカッコいい神父、絶対いません!

というわけで、この映画、きっと好き嫌いはかなりあると思うけど、ちょっと似た感覚の映画はほかにないし、気に入ったらとことん参るとおもう。ロックのプロモビデオでも見る気分でお試しいただきたい。
そう、音楽もガーベッジとか、カーディガンズとか、プリンスのWhen the Doves Cryがかかってみたりとか、またこれらが全然浮いてなくてズバりはまってます。
個人的には、好きな映画ベスト15には入る一本です。