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DENON AH-C700

music earphone

次々とヘッドフォンが壊れてしまったので、なにかいいのがないか物色していたところみつけた。
オーディオの音質にあまり凝ってもしょうがないやと、音の善し悪しにはふだん深入りしないので、いつも単にデザインと持ち運びと値段だけで選んでいたのだが、店にいろいろ実際にヘッドフォンを試聴できるコーナーがあったので、駐車場に戻って自分のiPodを持って戻ってきた。

ここで感心したのが、このDENON AH-C700.デザインは正直ぱっとしないし、社名も「デノン」なんて、昔のデンオンの読みの方が絶対よかったとおもうけれど、ちょっとびっくりするほど低音がよく出る。
すこしドンシャリな気もするけど、低音の鳴りが破綻せず迫力がある。これはと思い、ほんとうは低音がすっきりはっきり出た音で聴くべき曲をいろいろためしていった。こんなあたり。

DENON インナーイヤー・ステレオヘッドホン(ブラック) AH-C700-K

決め手になったのがBjörk All is Full of Love (アルバム Homogenic に入ってるつまらないほうじゃなくて、シングルカットのほう) で、曲のアイディアをかたちづくっている豊満な重低音が、こんなちっこいカナル型ヘッドフォンでなかなか申し分なく再現できており。

弟分にあたる AH-C350 という機種もあったが、確かに値段がくらべて半額以下ということもあり、申し訳ないがぜんぜん違うモノだった。
また、audio-technicaとかSonyあたりの、2万円以下の価格帯のものとも聴き比べてみたが、これまた比較にはならなかった。

買ってきて使ってみると、うわしまった、こりゃ実は安っぽいドンシャリでしかなかったか、とおもったが、2日ぐらい音楽再生しっぱなしで放り投げてエージングしておいたら、なかなか良い感じになってきた。
たしかに、中の下から重低音がかなりブーストされる芸風なんだけど、BOSEのポップス再生用製品によくあるような、重低音の胴鳴りをアクセント良く体感させ、迫力と所有欲を満足させるというああいう感じ。上もちょっぴりだけ強調されてるかな。

重低音がきちんと聴こえるので、YMOの名アルバム「BGM」とか「Technodelic」みたいに、隠し味で重低音が入れてあって、それを知覚できるとまた違って味わえるような作品もたのしめる。たとえば Pure Jam の、バスドラムをさらに Linn Drum のBDでも鳴らし、モニターから出した音を生のバスドラの皮で拾い、その胴鳴りをさらに録って足してある実は。みたいなあたりもちゃんと聴こえる。
ふつうのポップスでも、Tanto Tempo / Bebel Gilbertoみたいな、音圧が豊かすぎてなかなか厳しい中低音域の鳴りが曲のキャラクターを作っているパターンでも、割れる気配などなくゆったりどっしりと聴くことができて、とても素敵だ。

BOSESHUREの高いやつとか買えばこのへんは当たり前なのかもしれないが、音楽再生装置にあんまつぎ込むのはピンとこないので(それなら楽器を買ったりライブハウス借り賃に使いたい)実売1万ちょいぐらいでこの満足度は個人的にはとてもお勧め。
欠点はひとつあって、ケーブルにわりと太いしっかりしたものを使っているのがあだになって、歩きながら聴いていると、ケーブルの揺れる音がぼそぼそと音場に入ってきてしまうこと。