Alexander Balanescu @ SuperDeluxe

Alexander Balanescuのソロコンサートが六本木SuperDeluxeであるというのでいってきた。

Alexander Balanescuは弦楽四重奏のBalanescu Quartetのリーダーであるバイオリニストのおじさん。Balanescu QuartetというとKraftwerkを弦楽四重奏でカバーしたPossessedとか、YMOのカバーアルバムとか出してる人たち。しらなかったけど、この人は映画音楽のマイケル・ナイマンのオーケストラにも所属しているのだそうだ。

内容は、ポップな現代音楽という感じで、変拍子や不協和音、ピチカートやへんなボウイングもあやつりつつ、非現実的かつ心地よく、ユーモアもすこし振りかけた雰囲気。激しい曲想のものでは弓から松脂が飛んでくるようで、やっぱ生楽器には勝てねえなあ。熱演のあまり、途中で一回弦を切ってしまって休憩。

この人は「クラフトワークやYMOのカバーの人」という認知をされてることが多いと思うし、僕もそうだ。しかし今日はBalanescu QuartetのコンサートではなくてAlexander Balanescuのソロコンサートなので、そういう曲はやらないだろうなと思っていたし、実際やらなかった。彼自身のアバンギャルドな世界をたのしめた。

ただ、後半でまたボウから線がたれさがってしまって、曲がおわってからまた控え室に戻ったAlexander氏。それまでやっていたのは、彼いわく `Tokyo Story' という、途中でインド音階も使うよ、という、抽象的な冷たさと人間的なあたたかさが交互に現れるなかなか良い現代音楽ふうの一曲だったのだが、よりにもよって、その曲のあとの休憩時間にフロアでかかったのが、Balanescu QuartetのYMOカバーアルバムの、またよりにもよって「テクノポリス」だったので、へんなトウキョウつながりで、個人的にはちょっとしらけてしまった。

店のフライヤーをみたら、Adrian Sherwoodのダブ・セッションが10/31, 11/3 にLiquid Roomであるようなので、これもかなり良さそうだ。時間は、午前4時スタートとかじゃなくて普通の宵の口なんだけど、まあ社会人も行けて助かりますってことで。