Unreal II / Purple Motion

Unreal とか Second Reality というメガデモの傑作があった。1992〜3年ぐらい。
メガデモというのは、フロッピー一枚に収まるぐらいの(だから「メガ」)大きさのプログラムひとつの中に、グラフィックやサウンドのデモをひたすら職人芸で作り込んだものだ。
486/33MHz ぐらいのマシンで、3Dポリゴンが、テクスチャが、環境マッピングもどきが、ぐるんぐるんグリグリ動く。
当時シリコン・グラフィックスのグラフィック・ワークステーションでの開発の仕事をはじめたばかりで、それでもそこそこのいいモデルじゃないと、とてもじゃないがテクスチャ・マッピングなど動きはしないというところ、たかがそのへんの俗称「DOS/Vパソコン」でマッピング付き立方体だのがなめらかに動くもんだから、まいった。
もちろん真面目に全部計算しているわけではなく、極力まで手抜きをしているのだろうけど、その手抜きにかける知恵というのも立派なハックだから、そのへんにもしびれた。これを入手するため、当時まだ池袋の北のマンションの一室にあったLASER5 に SIMTEL CD-ROM を買いにいった記憶がある。まだip接続とか、外国にftpしにいく、なんてなかった。

これら名作を送りだしていたのが、北欧の十代の青年チームfuture crew だったのだけれど、そこでサウンド・トラックを担当していたのがこの Purple Motion 氏。当時まだ16ぐらいだったんじゃないかな。
ふと思い立って探してみたら、いまでも同氏のmod とか xm, s3m ファイルがごろごろでてきて、たいへん懐かしくすばらしい。
http://www.modarchive.com/artists/pm/
2ND_PM.S3M とか AQUA.S3M,初代 Unreal を見た人にはunreal1.xm,un-land.s3m,un-text.s3m,un-vectr.s3m,un-worm.s3m あたりがおすすめだ。感涙必至。

これらのファイルは、サンプリング音素片と演奏データが一緒になったもので、8ビット感満点というか、実にチープでテクノでしびれる。
プレイヤーは、いっぱいあるけど、OS X なら MacAmp Lite X などでどうぞ。
http://www.macamplite.com/

サウンド再生じゃなくて、aiffレンダリングするプラグインでファイルに落としたら、一曲あたり1秒程度でどんどんレンダリングされて、今のコンピュータはすごいな、と驚いた。
もっとも DAW がパソコンでばしばし動くわけだから、あたりまえか。