科学技術館

家族で、電車で科学技術館にいってみた。行くまえにwebで調べたら、たまたま今日は無料入場日だった。

外観や入口まわり、30年まえから雰囲気がちっとも変わっていなくておもしろい。

核融合科学研究所の方が、こどもにもわかる超電導のデモをやっていた。普通の永久磁石で作った軌道のうえを、発泡スチロールでつくった電車の模型が浮上して走りまわる。

発泡スチロール電車の背中にはへこみがつけてあって、そこに液体窒素を注ぎこんで冷やすのだが、手元に遠足の水筒のようなものを置き、そこから台所で使うおたまでちゃっちゃと液体窒素をすくっては、もう片手でおさえたマッチ箱ぐらいの電車のおもちゃに、ぴちゃぴちゃと注ぐ。

科学の実験というよりは、デパートの家庭用品売場の、万能調理器とか売っているおじさんのようだ。

発泡スチロール超電導電車はけっこうな勢いでレイアウトを走りまわり、まわりで見ている子供たちの近くまで液体窒素が、たまに、ぴちゃ。と飛ぶ。なかなかスリリングで面白い。

自転車の展示

2CV, ルノー4, シトロエンDS19サファリといったエンスーな車ばかり走っている未来のまち

バリバリ伝説

DNAが複製されるさまをパチンコオモチャにしたもの。日本科学未来館インターネット物理モデルと同じ方向性のものだ。なかなかレスペクト。

ただどうもうまく動いていないようで(お姉さんが「ごめんね、ごめんねー」といいながら修理していた)、あと僕にはDNAの一連のパケット(?)が具体的にどう動いてどう情報が複製されていくか今一つのみこめていないので、結局よくわからなかった。

インターネット物理モデルのほうは僕には楽しめるのは、ある程度本物の構造を知っていて(企画)、それがこんだけ割り切ってモデル化されているという割り切りの乱暴な気持ち良さ(実装)が加味され、そして実際に物理的にがちゃこんがちゃこん動いている(運用)という三段がさねの面白さがあるからなのだろうと、これを見ていて思った。

最上階にはいろいろ体験コーナーがあり、白眉は、人力の工場ラインのようなものを、みんなでレバーを押したり紐を引いたりハンドルを回したりして、大きな金属球をラインに流していくというもの。ラインはループになっているので、夢中になっていれば永久にみんな労働しつづけ、球はラインに沿ってながれつづけることになる。
このコーナーは、科学技術というよりは、インダストリアル風味のインスタレーションというか、クラフトワークの1stとか、アインストゥールツェンデ・ノイバウテンとか明和電機といったテイストのものだ。

これは面白いです。みんなで参加するおもしろさがあり、デザインの良さがある。音や響きも楽しい。
特にセンスがよいのが、この工場のライン? を構成するレバーや紐やハンドルには何も説明がついていないこと。ごろごろ転がってきた金属球が、ラインの途中で止まる。見物していた人間は、はてなんで球は止まってしまったのだろうと考え、球のまわりのラインの構造や、そこに設置されているテコやエレベーターや可動レールを目で追い、自分のまえにある取っ手やハンドルとの関係に気づき、動かし、理解し、参加して、成果を出して気持ちよくなる。

注釈が必要なユーザ・インタフェースというのはダサいし、映画や娯楽も説明されればされるほどつまらなくダサくなるものなので、その点でもこれはなかなかイカしている。

というわけで、無料または安いし、まわりは北の丸公園、内容も科学だの技術だの一直線のNHK教育テレビってだけでもないので、若干はずし風味のデート場所としても(あなたが要らぬ解説解釈を相手にべらべら喋り出すうっとうしい人間でない限りにおいて)おすすめ。