Synergy

Synergy

これは便利すぎる。ソフトウェアで実装した KMスイッチ(KVM: Keyboard, Video, Mouseスイッチ、じゃなくて、Keyboard & Mouse)とでも言うべきか、つまりたとえば、手元にOS Xマシンがあって、奥にWindowsマシンが置いてある、という状況で、(手元のOS Xの)マウスポインタを画面の右端を越えて動かすと、マウスポインタはそのままWindowsマシンに入り、キーボード入力もWindowsに入る。というもの。MakionLog: MACとWINでマウス・キーボード・クリップボードを共有に解説がある。

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私はOS XでSynergyのサーバ (操作するほう、乗っとるほう)、Windows XP Homeでクライアント (乗っとられるほう) を動かしてみた。クライアント側をWindows起動時に動かす(Windowsサービスとして動かすということなのだろう)よう設定して一度リブートしまえば、ログオン画面レベルからOS Xで操作できる。

机の上にPowerBookを置いてしまうと、奥のWindowsマシンのキーボードやマウスを操作するのはかったるくて、もうWindowsで動いている IE に URL を入れるのもかったるい、いつもirc経由でWindowsにURLを送り込んでそれをクリック、とかしていたぐらいなので、もうWindows側のキーボードとマウスは窓から捨ててしまおうかという勢いだ。

マウスイベントとキーイベントをナニするだけなので、当然動作は軽い軽い。

OS Xのalt (option)キーが、Windows側ではWinキーになるようだ。ただWinキーとは言っても、Winキー (つまりOS Xのoptionキー)を押すとスタートメニューがポップアップする、というだけで、Win-RとかWin-Dとかの便利なキーバインドは使えない。このへんのモディファイヤをどう変換するかは、まぁ設定はできるようだ。

ファンクションキーも渡せないようだ。ただCommand (Apple)キーがWindowsのAltになるようなので、Commandひと押しでWindowsのメニューバーがアクティブになったり、Command-F Xでアプリ終了とかいける。

Ctrl-Alt-Delも渡せない。ただCtrl-Alt-PauseでCtrl-Alt-Delをエミュレートしたものを送信できるとある。PowerBookにはPauseがついてないわけだが。外付けキーボードつければ送れるのかな。

JISキーボードに対応してないそうだが、そんなものは知らね。

クリップボード共有。Windowsでコピーした任意のテキスト文字列はOS Xに持ってこれる。OS Xでコピーした文字列は、英数字のみをコピーした場合だけWindowsにペーストできるようだ。日本語をコピーしてもWindows側のクリップボードはからっぽだ。テキスト以上のものはコピペできないようだ。URLのやりとりができてラッキー程度の感じか。

痛いのが、ワンボタンマウスなOS Xからは、Windowsの右クリックをできないこと。Ctrl-Clickで右クリックをエミュレート、とかいうのはよくある芸風なのだが、この手の右クリエミュレーションが何もない。おまけにファンクションキーも送れないから、WindowsのShift+F11で右クリック効果、の手も使えない。タスクトレイのアイコンに対する操作などが一切できないことになる。

「WindowsにおけるAlt-Tabでタスク切り替え」ができない。Command-Tabを押すとOS X側のタスク切り替えになってしまう。Alt-Tabは、AltがWinキーとして送り込まれるのでダメ。(モディファイヤ定義を変えればいけるかもしれないが)また、Command-Tabを使ってしまうと、マウスはWindowsを制御したままなのに、キーボードはOS Xにフォーカスするというへんな状態になる。

とまぁいろいろ書いたけれど、基本的にかなり便利なものであることに違いはない。Windows, OS X, 一般 UNIXで利用できる。GPL.

その後

Synergyは29USDからの有料ソフトウェアになった

非商業部分は引き続きGPL v2で公開されている

同様のソフトウェアは他にもいくつかあって

SynergyからforkしたBarrierなど、好評なものもあるようだ