Smile / Brian Wilson

Beach Boys のリーダー、長兄にして偉大な作曲家、ヴォーカリストである Brian Wilsonの、集大成にして最高傑作になるべきだった、しかし完成度に満足できず、大西洋の向こうで Sgt. Peppers Lonely Hearts Club Band を完成させていくThe Beatles からのプレッシャーに恐れ、「お気楽サーフィンロック商品」を求めていたレコード会社からも決して好意的な風向きを得られず、そしてそうしてはじまった Brian の神経衰弱と長いあいだの引きこもりのために、世にでることのなかった幻の名作、Smile が、ともあれ、37 年間の迂余曲折をへて。さっき家にとどきました。 

Smile

Smile

 

Brian は、疑いようもなく、最も尊敬する作曲家・ミュージシャンのひとりですが、えと、なんつーか、少しでも 37 年間の空白とかブライアンの復帰具合とかそういうあたりに疑いがあるなら、それは捨ててください。いますぐ聴いてください。

あなたの人生の時間の価値のために。
音楽を聴いて、これほどキターと思ったことは数回程度しかありません。

この15年ぐらいのブライアンは、おぉ、復帰なさいましたね。ご苦労様です!え、クォリティ? リハビリ中なんですからまぁまぁ。みたいな感じがありやなしや、だったですが。

Brianは、帰ってきたっす。

さっき女房に、Smileが出た。というのがどういうことか説明していたら、途中で涙がうかんできて、うまくしゃべれなくなってしまいました。

ともあれ、37年間とか、伝説の幻のとか、元ビーチボーイズの、とかそういう話抜きに、単なる一枚のポップミュージック、ロックミュージック、ヴォーカルミュージック、ガーシュインやコープランドの系譜にあるアメリカ近代クラシックミュージックの末裔、としても素晴らしい作品。

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