薬局

夜中にどうしてもおむつを調達しなければならなくなり、飯も食って、子供たちも風呂に入れおわり、もう普段着に着替えているというのに、ジャンパーをひっかけて車で薬局まで行った。

「12kg以上向けビッグサイズ52枚入り」のでかい袋を下げてレジにならぶと、二十歳前後のお兄さんがちょうど物を買ってるところで、なにかとおもったら、大きめのコンドームの箱ふたつだった。

自分は、神とハイドロニューマチックサスペンションに誓って、人のそういうのの邪魔をするつもりはないのだが、こう、ひとがコンドームを買う場面を目撃したのははじめてなので、おもしろかった。

コンドームを買う彼、その後ろでお徳用オムツを持って並ぶぼく、彼の生活のプロセスのあとには、ぼくのようなプロセスが来るんだよね、いや避妊具を買って活用していればオムツの必要性は発生しないのか、

とか、どうでもいいことを考えているうちに、寒い夜中に薄着にジャンパーつっかけて買い物に出るせつなさは解消して、なんか愉しい気分だ。